【AIで個人開発】Claudeに頼んでロードバイクのパーツ管理アプリ「Distance」を作り、App Storeで公開しました

Distanceのアプリアイコン

※記事内に広告を含みます。

ロードバイクのチェーンやタイヤって、いつ交換しましたか?

自分はこれがいつも思い出せませんでした(笑)。「たしか春に替えたような…」「このタイヤ何km走ったっけ?」という感じで、気づいたらチェーンが伸びていたり、タイヤがすり減っていたり。

そこで今回、AI(Claude)に手伝ってもらって、走行距離とパーツの使用距離を記録するiPhoneアプリ「Distance」を作り、App Storeで公開しました。 無料で使えます。

Distanceのアプリアイコン

https://apps.apple.com/app/id6819155571

この記事では、どんなアプリなのか、そしてAIと一緒にどうやって作ったのかをまとめておきます。

作ったきっかけ:パーツの交換時期がわからない

ロードバイクは、チェーン・スプロケット・タイヤ・ブレーキパッドなど、消耗品がたくさんあります。交換の目安は「チェーンは3,000〜5,000km」のように距離で考えることが多いのに、パーツごとに何km走ったかを覚えておくのはなかなか大変です。

サイコンやStravaを見れば「バイクの総距離」はわかります。でも知りたいのは「このチェーンを付けてから何km走ったか」なんですよね。

ロードバイクのメンテナンスは基本的にチェーンの注油・あとはタイヤが寿命やパンクした時に交換・補修するくらいかと思います。ただ、10000km〜20000km乗ってしまうと交換が必要なパーツが出てきてしまうのでやはり使用走行距離を把握できた方が良いかと思います。

既存のアプリも探してみましたが、自転車・パーツの走行距離を計測するというアプリはあまりありませんでした。

そこで最初は、AIにWebアプリ(ブラウザで開いて使うもの)として作ってもらって使っていました。ただ、Webアプリだと記録がブラウザの中に残らないため、使うたびにファイルを読み込んで、終わったら書き出して保存しないと走行記録が続けて取れませんでした。これが地味に面倒で…。

毎回ファイルを出し入れしなくても記録がたまっていくように、iPhoneのアプリにすることにしました。アプリにするのにかかったお金は、Appleの開発者登録の年会費で13,000円くらいです。

Distanceでできること

使い方はシンプルで、走った日と距離を入力するだけ。あとはパーツごとの使用距離が自動で足されていきます。

  • パーツごとの使用距離を自動で計算:交換目安の距離に対してバーで表示。目安を超えると赤く⚠が出ます
  • 「今日交換した」で0kmに戻る:それまでの距離は交換履歴に残ります
  • グラフで振り返り:月別・年別の走行距離、バイク別・パーツ別の距離を棒グラフで確認
  • ローラー台にも対応:ライドごとに「距離を足さないパーツ」を選べます(ローラー台の日の外用タイヤなど)
  • メンテナンス記録:チェーンの洗浄・注油など、前回のメンテナンスから何km走ったかもわかります
  • シューズの歩数:SPDシューズのアウトソールが何歩で寿命になるか知りたくて、歩いた距離・歩数も記録できるようにしました
  • 複数のバイクに対応:「〇〇と同じ」で、他のバイクと同じパーツ構成をまとめて登録
  • 登録・ログイン不要:データはスマホの中だけに保存され、外には送信されません。バックアップ(ファイルに書き出し)もできます
  • 日本語・英語・スペイン語に対応

あえてStravaやGarminとの自動連携は入れず、距離は手入力にしています。連携させると便利な反面、ログインや設定が必要になって、シンプルさがなくなってしまうからです。ライドのあとに距離をポチッと入れるだけなので、そこまで手間ではありません。

AI(Claude)とどうやって作ったか

今回のアプリは、AnthropicのAI「Claude」(Claude Codeというツール)に手伝ってもらって作りました。

やり方は、日本語で「こういうアプリが欲しい」と伝えるだけです。たとえば

  • 「チェーンやタイヤの使用距離を、付けた日から自動で足していきたい」
  • 「交換目安を超えたら赤くしてほしい」
  • 「ローラー台の日は外用のタイヤに距離を足したくない」

といった感じで話すと、Claudeがプログラムを書いて、動くところまで作ってくれます。実際に使ってみて「ここが使いにくい」「この言葉はわかりにくい」と伝えると、すぐに直してくれます。

僕のITの知識はwordpressを使ってブログを書くくらいです。AIに口頭でコードを書いてもらうことをバイブコーディングというようですがまさかここまで出来るなんて驚きでした。

アプリの名前やアイコン(チェーンリングに赤い歯が8枚)、App Storeの説明文、プライバシーポリシーの文章、英語・スペイン語への翻訳まで、相談しながら一緒に作りました。

作ってから公開までの流れ

日付やったこと
9月30日作り始める(仕様をまとめて、最初の形を作成)
10月1〜3日機能を追加(まとめて登録、ローラー台対応、グラフなど)
10月5日Appleの審査に提出
10月6日Appleから「追加の情報が必要」と連絡 → 英語で説明と操作動画を送って再提出
10月16日審査に通って、App Storeで公開!
公開後シューズの歩数、メンテナンス記録を追加

作り始めてから公開まで、だいたい2週間ちょっとでした。

大変だったこと・つまずいたこと

Appleの審査

一番ドキドキしたのは審査です。一度目は却下ではなく「追加の情報が必要」という連絡で、アプリの使い方を英語で説明し、操作している画面の動画を送りました。ちなみに返信するだけではダメで、「App Reviewに再提出」のボタンを押さないと審査が進まない、というのも初めて知りました(笑)。

Apple Developer Programへの登録

App Storeでアプリを出すには、Appleの開発者登録(Apple Developer Program、年会費13,000円くらい)が必要です。支払いをしてから承認されるまで、少し待ち時間がありました。

セキュリティ

自分のアプリを人に使ってもらう以上、ここはちゃんとしておきたいところでした。アカウントの2段階認証を設定したり、使っているプログラムの部品に問題がないかをツールでチェックしたりと、AIに理由を聞きながら一つずつ確認しました。

Distanceのセキュリティについて

せっかくなので、Distanceのセキュリティについても少し書いておきます。

最近の情報漏えいはどうやって起きているのか

ニュースで「〇〇万件の個人情報が流出」というのをよく見かけますが、最近の情報漏えいは、だいたい次のようなパターンで起きています。

  • アカウントの乗っ取り:偽のメールやSMS(フィッシング)でパスワードを盗まれたり、ほかのサイトから漏れたパスワードを使い回していたりして、ログインされてしまう
  • サーバーへの攻撃:会社のサーバーに侵入されて、データを盗まれたり暗号化されたりする(ランサムウェア)
  • 設定ミス:本当は非公開のはずのデータが、設定のミスでネット上から見える状態になっていた
  • サプライチェーン攻撃:アプリを作るときに使う「部品」(ほかの人が作ったプログラム)や、取引先・委託先が狙われ、そこから被害が広がる

IPA(情報処理推進機構)が毎年発表している「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、組織向けの1位はランサムウェア、2位はサプライチェーンや委託先を狙った攻撃で、今年は「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて3位に入りました。個人向けでは、フィッシングによる個人情報の詐取や、不正アプリによるスマホ利用者への被害などが挙げられています。

アプリ開発の世界でも、2026年はアプリを作るときに使う部品(npmというしくみで配られるプログラム)が乗っ取られて、悪いコードが混ぜられる事件が何度も起きています。

つまり多くの漏えいは、「サーバーにたくさんの個人情報が集まっていて、そこが狙われる」というパターンなんですね。

Distanceは「漏れる情報を持たない」つくり

そこでDistanceは、そもそも個人情報を集めないつくりにしました。

  • アカウント登録・ログインなし:メールアドレスもパスワードも預からないので、乗っ取られるアカウントがありません
  • データはスマホの中だけ:走行記録やパーツのデータは自分のiPhoneの中にだけ保存され、自分のサーバーには送っていません(そもそもDistance用のサーバーがありません)
  • 広告や分析ツールを入れていない:利用状況を外部の会社に送るしくみも入れていません
  • パスワードや鍵をアプリに埋め込んでいない:アプリの中に、悪用されると困る秘密の情報が入っていないことをツールで確認しました

唯一の通信は、アプリの更新(不具合の修正など)があるかどうかの確認です。このとき送られるのは、端末ごとのランダムな番号やアプリのバージョンなどで、走行記録や名前が送られることはありません。このこともプライバシーポリシーに書いています。

作る側として気をつけたこと

  • Apple ID、アプリの配信サービス(Expo)、メールなど、関係するアカウントはすべて2段階認証に
  • アプリに使っている部品に、知られている弱点(脆弱性)がないかを専用ツールでチェック。見つかった指摘は、アプリを作るときだけ使う道具の中のもので、配信しているアプリ本体には入っていないことまで確認しました
  • バックアップファイルを読み込むときに、おかしなデータ(ありえない数字や日付)をはじくように
  • 毎月1回、同じチェックをし直すようにしています

ただし、データはスマホの中にあるので、スマホ自体のロック(パスコードやFace ID)はしっかりかけておいてください。また、iPhoneをなくしたり壊したりするとデータも消えてしまうので、ときどき設定画面からバックアップを取っておくのがおすすめです。

ちなみに、どれも「AIに理由を聞きながら一つずつ確認した」ので、セキュリティに詳しくない自分でも、何をしているのか納得しながら進められました。

参考:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」

AIで作ってみて思ったこと

  • 欲しいものがはっきりしていれば、かなりのところまで作れる。「何に困っているか」を自分の言葉で伝えられるのが一番大事でした
  • ただし丸投げはできない。何を入れて何を入れないか(たとえば自動連携はやめる)、言葉の選び方、使いやすさの判断は自分で決める必要があります
  • 自分で毎日使うから改善が止まらない。「シューズの歩数も知りたい」「メンテナンスも記録したい」と、使いながら思いついたものをどんどん足していけるのが個人開発の楽しいところです

チェーン注油・ハブのグリスアップのタイミングが分かって個人的には超絶便利。

まとめ

ロードバイクのパーツの交換時期を管理したくて、AI(Claude)と一緒にアプリ「Distance」を作り、App Storeで公開しました。

  • 走った距離を入れるだけで、パーツごとの使用距離がわかる
  • 交換時期が近づくと赤く⚠でお知らせ
  • 登録・ログイン不要、無料

「チェーンいつ替えたっけ?」となりがちな人には、ぜひ使ってみてほしいです。使ってみての感想や「こんな機能が欲しい」があれば、コメントやサポートページから教えてください!

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